博士課程の就職活動

(26) 博士課程において得られたものの中で最も大きいものは

先日のエントリーをいくつかのブログで取り上げていただき、ありがとうございます。 さて、今日はその続きを書きたいと思います。 研究・仕事における自己に対する責任感の獲得、精神の自立 今現在、博士課程進学を他人に奨められるかと言われれば、現状では…

(25) 博士課程に進むメリット 〜博士の株も暴落するのか?〜

ポスドク問題は終わったのかもしれない アカデミアという名の斜陽産業 18年も前にポスドク問題の帰趨は見えていた:基礎研究を「益なきもの」と蔑む国に博士とアカデミアの未来などない 私が博士課程に進学しなかった理由 これから5年間にバイオ研究者に大き…

「博士の生き方」アンケート

博士の生き方のトリムさんが、アンケートを実施されております。 既にいくつかのブログで紹介されていますが、私のブログでも紹介させていただきます。 第四回・「博士の生き方」アンケート実施中 ※アンケート対象者:博士課程修了者(中退者)および今年度…

(24) 博士問題の意見交換会

先日、博士事情に関するディスカッションの場に参加する機会がありました。 まず初めに、インターネットというものは、普段はつながり得ない人間とつながる可能性がある、非常に興味深いツールだと思いました。個人的な感想として、このうすっぺら日記に書い…

(23) なぜアカデミア志向は瓦解したのか

昨日、なぜアカデミアという進路に束縛されてしまったかについて述べたが、では、進路固定はどうやって融解したのか。 就職しようと思ったきっかけはかなり早い段階だった。おそらくM2の時にぼんやりと思い始め、D1、D2で強くなっていった気がする。 それを…

(22) アカデミアへの進路の固定はどうして起こるのか

はじめにちょっと前のことになりますが、テレビ番組で取り上げられたことなども影響し、いくつかのブログなどでいわゆるポスドク問題が加熱しています。そういったところでの議論をざっと見た感想では、進展に向けて気持ちの面では前向きな意見が多くなって…

(21') 学生がその後どうなるのか 追記

ここのところ忙しくて、ちゃんと落ち着いた時間を取ることができませんでした。トラックバックいただいた方々、コメントいただいた方々ありがとうございました。正直なところ、こんなに反響が大きいとは思っていませんでした。ちょっと感情的に書いた部分も…

(21) 学生がその後どうなるのか

大学にいる時には、人材育成の概念に非常に疑問を持ちました。学生の進路が定まらない理由の中には、自己責任の部類に含まれることも多いとは思いますが、根本的に、大学院の研究室というところは、進学してきた学生がその後どうなろうが知ったこっちゃない…

企業博士になって思うこと。

4月2日から働き始め、2週間、まず合宿型新入社員研修を受けました。うちの会社では、職種別採用という採用方法を取っておらず、新入社員研修時には同条件で、全員一括して合同研修を受けます。研修の内容は、会社の各部署の現在の動向や、社会人としてのマナ…

明日から新社会人

30日に追いコンがありました。研究室には6年間いたわけですが、いざ出て行くとなるといろんな思い出がよみがえってきますね。色々ありました。ここで学んだことを今後に活かせるよう、頑張りたいと思います。 これまであまり経歴を書いてこなかったんですが…

学位授与式

先日、ついに学位を取得してきました。一つ一つ、大学の総長から手渡しでもらいます。でも、そのおかげで、相当な時間がかかりました。なにせ、文系・理系合わせてなので、400人ほどいたんです。2時間ぐらいかかりました。結構、暇でした。式自体は非常にあ…

研究室によって考え方は全然違う

月曜日の夜にT君と飲みに行きました。同じ研究科の同期で、共に4月からの就職組です。以前に一度か二度会ってて知り合っていたんですが、今回縁あって飲みに行こうということになりました。 研究室のこととか、研究のこととか、就職活動のこととか、企業のこ…

(20) 学位取得が内定条件に?

10日の日記にちょっと書いてたのですが、追記しようと思うことがあって、それを追加してあらためて11日分に記載することにしました。 会社の同期との忘年会の中で、同期の他の博士の人の話を聞いてみると、学位取得が条件となると内定承諾書に記載されている…

研究室の忘年会、会社の同期と忘年会

明けましておめでとうございます。ちょっと遅いですね。 新年早々、いきなり去年の話題ですが、12月末には研究室の忘年会、4月から働く会社の同期と忘年会がありました。 毎日、学位論文を書く毎日でデスクワークばっかりで疲れ気味だったのでいい気分転換に…

 最後のご褒美

もうすぐ2006年も終わりです。ミレニアムからもう6年も経ったのか、早いもんです。 昨日は大学時代のサークルの人たちと忘年会がありました。12時ぐらいまで飲んで、その後は徹マン(徹夜マージャン)へ。何度かこっくりこっくりしながら、朝まで打ちました…

投稿論文のアクセプト

先日、人生初めての論文がアクセプトされました。これを根拠論文として学位論文を書き、学位申請時に提出、そして研究発表会を行って通れば、晴れて学位取得となります。 First authorとして雑誌掲載論文を持てば、学位取得は目前です。 リバイスの内容が帰…

(19) 博士派遣と進路アドバイスなど

最近、5号館のつぶやきさんや、大脳洋航海記のvikingさんが、博士派遣などに関してエントリーを書かれています。 博士派遣社員 ドクター問題その後(3): 日本の研究者養成システムは既に崩壊している以下は僕の感想です。あまりたいしたことは書いていません。…

学位申請

最近、忙しくて日記書く暇がありませんでした…。 というのも、1月の学位申請に対して学位申請論文を書いてます。また同時に論文の投稿も行っています。そのアクセプトが間に合えば1月に申請、間に合わなければ遅延。間に合った場合を想定して学位論文を用意…

(18) キャリアパス支援に対する懸念

9月29日の日記の、トリムさんからのコメントで、 『自分の進路を吟味する機会というのは、今は自分自身で発見していかないといけないと思うのですが、できるのであれば、大学の仕組みの中にそういった機会が盛り込まれるべきだろうとこのごろ考えております…

SNSを介した就職支援?

忘れないように、貼るだけ貼っときます。こんなニュースが書いてありました。 就職難の博士たちへ、国立8大学が企業との交流サイト 国立8大学が、インターネットの“社交場”と言われる「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」のウェブ・サイ…

(17) 自分の進路を吟味するということ

◆初めに 色々とエントリーを書いてきましたが、僕はアカデミアを否定して、企業就職を強く勧めているのではありません。同時にアカデミアを勧めているわけでもありません。アカデミアに進んで幸せになる人もいれば、企業就職して幸せになる人もいるだろうと…

(16) 就活のマナーについて

社会からの博士やポスドクの方に対する悪いイメージの原因の1つには、社会人的なマナーの不足が挙げられると感じる。「自分は社会人マナーがしっかり身に付いている!」と胸を張って言える人はどれぐらいいるだろうか。そういうものが、「学生っぽい」とい…

(15) 「年齢」と「雇用メリット」について その5

今回のその5で、ひとまず5つのエントリーは終了。この、その5が一番書きたかったのです。 ブログ中で記載していることの全ては僕自身の経験による僕の考えです。よって、一般的なものでは当然ありませんし、誤りも含まれているでしょう。そこに注意してく…

(15) 「年齢」と「雇用メリット」について その4

9月11日の日記、9月12日の日記、9月13日の日記と3回、「年齢」と「雇用メリット」についてエントリーを書いてきましたが、その4とその5を書きたいがために、このエントリー群を書いています。 これまでに「年齢」の問題を取り上げてきましたが、それに「…

(15) 「年齢」と「雇用メリット」について その3

(15-3)博士が「売れない」のは、「買わない」企業が悪いのか、それとも「売り方が悪い」大学が悪いのか。以下のようなやり取りはよく目にすることができる。勝手に引用して申し訳ありません。 大事なのは、学生が商品とするならば大学が売り手で、企業が顧客…

(15) 「年齢」と「雇用メリット」について その2

(なかなかちゃんとした文章が書けない。思いつくままに書くタイプの、観念的かもしれない文章になりがちだけど、まあ思ったそのままを書こうと思う。) (15-2)博士は本当に「使えない」のか? 「博士は使えない」という話をよく聞くが事実だろうか? Chaos …

(15) 「年齢」と「雇用メリット」について その1

初めに、自分自身が就職活動を終えて、就職活動を進めるにあたっての精神的な「脱皮」というか、そういうものが必要であると強く感じました。僕自身は就職活動を進めるにあたって、段々と「脱皮」していきましたが、就職活動を直に体験したその経験と、自分…

(14) 就活経験を公開しているブログ

以前にコメントをいただき、度々参考にさせてもらっている、 いむぱくとふぁくたーさんのバイオ博士院生の就活ブログ(http://plaza.rakuten.co.jp/impactfactor/)を、軽くですが、紹介させていただきます。 いむぱくとふぁくたーさんはバイオ・ライフサイ…

(13) 研究内容や業績の発表

(7/31追記)(いつも情報をいただいているvikingさんのブログ(大「脳」洋航海記)の、06/6/14の「博士の就活って大変みたいですね」というエントリーで、僕が「博士課程の就職活動について」カテゴリーでつらつら書いたことを紹介してもらいました。そのコ…

内定者の集まり

先日、内定者の会があった。第一の感想は疲れた。何十人もの見知らぬ人間と接するのは苦手だ…。学部・修士の若い人達が多くて、正直話についていくのがやっとで(ついて行ってなかっただろうな)、若いノリに敵わない。年齢のせいじゃなくて、性格のせいかも…