自閉症と水銀との関連性

 自閉症とはコミュニケーション障害などの認知障害聴覚障害などを特徴とする先天性脳障害であると考えられている。多動症(ADHD)、知的障害は自閉症とは別の障害であるが、自閉症がこれらの障害を伴う場合がある。知的障害を伴わない自閉症の人を高機能自閉症と呼んでいる。
 遺伝的要因も考えられているがその原因はわかっていない。小児自閉症患者は年々増え続け、今日では100人に1人の割合であるという報告もある。しかしながら、治療法や改善方法、また社会としてのケアはほとんど確立されていない。
 その昔、自閉症は引きこもりなどと同義であると捉えられ、後天的要因であり、両親の教育方法に問題があったと根拠のない非難を浴びせられた暗黒時代があった。そのような段階から除々に理解は進み、知名度も上がっているように感じる。
 近年、自閉症原因として、新説が発表された。

Dr・Bernardらは、臨床検査によって水銀中毒と自閉症の兆候、症状の分析を行い、水銀中毒症と自閉症の間には明白な因果関係があることを突き止めた。この報告は、それ以前に報告されている、体内に蓄積された水銀を除去排泄することによって自閉症症状が改善された症例と適合しており、事実、今日の自閉症の多くの症例が水銀中毒と関係があると証明されている。私が昨年末にタホマクリニックへ紹介した4歳の自閉症女児は、爪および毛髪分析の結果、その原因が水銀中毒による可能性が非常に高いことがわかり、Dr・ライトによるキレーション療法を受けた日本人では初めての患者である。帰国後もDr・ライトのフォローを受け、自閉症特有の多動性行動、発語遅延が驚くほど改善されている。

http://www.yobou.com/contents/rensai/report/r03_31.htmlより抜粋


また次のような訴訟もアメリカで起こっている。

ワクチンに含まれる有機水銀製剤のチメロサールが「自閉症」の原因であるとし
て、アメリカで「自閉症」患者の団体が製薬会社を相手取って訴訟に持ち込んで
いる。また それを裏付ける研究が出ていることは [GEN] でもお知らせしてい
るし、雑誌にも発表してきた。ところが、関連を否定する研究がデンマー
クに現れた。

アメリカの専門誌『小児科学』の9月号に、デンマーク疫学センターのクレース
テン・マドセン Kreesten M. Madsen 博士らが発表したものである。1971〜2000年
の間に「自閉症」の診断を受けた2歳から10歳の子どものデータを、デンマーク
国内の小児科学データベースから抽出して調べた。

956 人のデータのうち、男児:女児の比は 3.5:1 です。90年までデンマーク
は水銀製剤のチメロサールがワクチンに使われていた。使用を中止した91年
以降2000年までのデータを見ると「自閉症」の減少が見られず、かわらず発症の
増加が続いていることがわかったとしている。チメロサールと「自閉症」の間
には関連があるという見解を支持するデータはないというのが結論である。

一方、水銀の除去で「自閉症」がめざましく改善するという見解もあり、これか
らの進展が注目される。ちなみに日本国内で患者のお母さんが私の書いた記事
を読み、子どもさんにキレート剤で水銀を排除する治療を受けさせたところ、知
能指数が約80 から約110まで改善し、現在は小学校の普通学級に通っている例が
ある。先日このお母さんがうれしい電話をして来られた。

http://www.melma.com/mag/15/m00090715/a00000050.htmlより

 ワクチンに含まれる水銀が原因であるとする訴訟には肯定的根拠と否定的根拠の両方があり、まだよくわからない。
 水銀排出療法で症状の改善がされない自閉症患者もいることは事実だ。しかし、ある医師は全体の3/4に効果があると言っている。
 自閉症は客観的な診断が確立されていないことが一つの問題であり、その原因は複合的な障害を一まとまりに自閉症と捉えているからであるかもしれない。また遺伝的要因・環境要因ともにほとんどわかっていないということも非常に問題だ。そのために自閉症の両親は非常に多くの困難に直面するだろう。例えば、これは自閉症に限ったことではないが、初めての子供が自閉症と診断され発達遅滞などの症状がある場合、二人目の子供を生むかどうかということは非常に難しい。なぜなら両親は自閉症ではないとしても潜在的な遺伝要因を持っている場合、二人目も自閉症になる可能性があるためだ。実際、二人目の子供も自閉症と診断されたというケースを知っている。
 原因は依然としてまだほとんどわからないが、水銀をキレート剤によって排出することによって持続的に症状が改善するという今回の結果は治療法の可能性という点において、暗闇に一筋の光を投げ込むことになることは必至だろう。
 アルコール排出量と同様に個体によって水銀排出量に差があるのかもしれない。そのことによって蓄積量が変わり神経系発達に影響が出る。水銀排出に関わるメカニズムの解明により、遺伝的要因とのつながりも見えてくるかもしれない。非常に面白い。