なぜ麻酔はかかるのか?
なぜ麻酔がかかるのか、つまり麻酔薬がどこにどうやって作用し、その結果脳内の神経回路にどのような変化が起こって麻酔作用が現れるのか、そんなことをふと考えた。しかし意外なことに、このような麻酔の本質に関わるところが残念ながら現在のところほとんどわかっていないらしい。
たとえば、大脳皮質にニューロン末端があるコリン作動性ニューロンは、揮発性麻酔薬やバルビツレートによりその活性が著しく低下することを明らかにしてきました。逆に笑気やケタミンではコリン作動性ニューロンの活性が亢進することも発見しました。このことから揮発性麻酔薬やバルビツレートと、笑気やケタミンとでは同じ麻酔薬といっても、その作用機序が全く異なっていることが分かります。このHPより
全身麻酔薬がどのような機序で効いているのか?GABA受容体やNMDA受容体にきいているなどと色々な説はあるがまだ本当の所は誰にもわかっていない。
GABA-Aやglycine受容体に働き、チャネルの特性を変化させる(Nature, 389, 385, 1997)。
抑制性シナプスK+チャネル(IKAn)を活性化する (Nature Neurosci.,2, 1999)。
臨界体積説(1956)
2-5%のアルコールで、オタマジャクシは麻酔にかかるが、200-300気圧により泳ぎ始める。麻酔薬により、不活性化された膜が加圧により再び活性化される。麻酔薬が膜内分子に結合し、膜の体積が一定以上増加すると麻酔がかかる。