黄金比(1)

少々ネタとして古いが、今読んでいるダ・ヴィンチ・コードの中で出てきた黄金比の話。

1.6180339887…  黄金比─神聖なる比率。(1+√5)/2
名刺、クレジットカード、はがき、テレビのワイドスクリーンなどはすべて縦横の比率が黄金比つまり「1:1.618…」に近い値になっている(その形を「黄金矩形」と呼ぶ)。黄金比はもっとも調和のとれた美しい比率とされ、見る者に安心感を与えてくれる。
黄金比は古今の様々な建築や芸術作品に使われている。古代エジプトのピラミッド、アテネパルテノン神殿、そして、レオナルド・ダ・ヴィンチの多くの作品。「モナ・リザ」の顔は黄金矩形の中にピタリと収まるし、「最後の晩餐」の構図にも黄金比が見られる。そして、この本の中でも重要な意味を持つ「ウィトルウィウス的人体図」に表されているように、人体の様々なパーツにも黄金比が存在することをダ・ヴィンチは実証している。たとえば、「頭のてっぺんから床までの長さ」と「へそから床までの長さ」、「肩から指先までの長さ」と「肘から指先までの長さ」。人体は黄金比の集約とも言える。
人体ばかりではない。もっとも不思議なのは、「黄金比は自然界のいたるところに見られる」ということである。ミツバチの群れにおける雄と雌の個体数の比率、オウムガイの螺旋形、ヒマワリの種子の配列、昆虫の体の分節、植物の茎の葉のつき方、松かさの鱗片。自然界には数え切れないほどの黄金比がひっそりと存在している。主人公ラングドンは言う。「混沌とした世界の底には秩序が隠れている。太古の人々は黄金比を見いだしたとき、神の創りたもうた世界の基本原理に出くわしたと確信し、それゆえに自然を崇拝した」…。