黄金比(3) 対数螺旋

黄金比を持つ長方形と螺旋の関係について。黄金比を持つ長方形は,正方形を次第に小さくしながら加えていったときに充填されるという性質を持ち、その正方形を内側に巻き込むように配置すると、正方形が綺麗な螺旋状に並ぶ(図参照)。この螺旋模様から、巻き貝が連想できると思う。巻貝の一つのオウムガイをすっぽり収める長方形を描いたとすると、その短辺と長辺の比は黄金比となっている。この巻貝状の螺旋は対数螺旋と言われている。
対数螺旋はどこで切ってもすべて相似な曲線であるという、数学的にも美しい性質を持つ螺旋である。例えば図で、最大長方形に内包される螺旋は、右側の2番目に大きい長方形に内包される螺旋の相似形である。
この性質は生物の形を考える上でも、大きな意味を持っているかもしれない。生物の一部の構造が成長する場合、例えば巻貝の貝の成長の場合、少し伸びても全体としての形が変わらない様に、常に相似形を保ちながら伸びていく。どのような成長段階のオウムガイであれ、すっぽり収める長方形を描いたとすると、その長方形はすべて相似形であり黄金比を持つ長方形になる。対数螺旋を描きながら巻貝は大きくなっていくのだ。