なぜ博士課程まで行ったのか、に答える

高年齢という当然の理由以外に、なぜ博士課程の就職が厳しいのかということを一言で言えば、「修士で就職せず博士まで進んだのになぜ今更道を変えるのか」ということに答えることが難しいからである。「アカポスは困難であるから」だという理由は理由にはならない。「じゃあポストがあればアカデミックに行きたいんですね?」ということになる。博士課程やポスドクとして年齢を積み上げていけば、なぜ就職できないかといえば、道を変える理由をポジティブに語れなくなるからだろう。「敗残兵」ではない理由を述べて面接官を説得しなければならないのだ。敗残兵でない理由には、「若さ」も大きなポジティブ要因になる気がする。早ければ早いほうが当然いい。また、研究生活での業績があまり評価されないことも大きな問題だろう。「私はこんなに一杯業績があります。」ということは「敗残兵」でない理由にならない。「アカデミックでそんなに業績があるなら、そっちで頑張れば?」となるからだ。