人は見た目が9割

人は見た目が9割 (新潮新書)
人は見た目が9割 竹内一郎
「ルックスにしっかり気を付けて生活しなさい」という本かなと思い、啓発してもらおうと思って読んだのだが、中身はいまいちそういう感じではなかった。どちらかというと、「こういう表現は、こう受け取られやすい」という事例を特に漫画を参考に紹介している(作者の竹内一郎は、少年マガジン「哲也」の原案者:さいふうめいとして、漫画表現などにも詳しい)。ノンバーバルコミュニケーションの重要性を指摘して、「こういう場を作りだせば、人はこう思いやすいですよ」と説明している。
面接の場でも、言葉の「中身」ももちろん大事だが、表現方法―つまりプレゼン技術だが―も極めて重要だとつくづく感じる。だいたい、30分やそこらで、人の内面まで推し量ることができるものか。要は、「お、この人は仕事できそうだな。一緒に働きたいな」という雰囲気をいかに醸し出せるかということではないか。たとえ中身がどうであれ、少なくとも醸し出せますかということだ。
グループディスカッションのときも、リーダーシップや発言力、説得力が要求されているのは明白であるから、初対面の人とグループを組んだあの場で、主導権を発揮できる能力を見ているのだろう。たとえ本来の性格がそうではなくても、とにかく発揮しているように醸し出せる能力を。