(11) 相談した相手、参考にしたサイト・団体など (6/24追加)

まず、人との関わりは非常に大事だと思う。これは就活に限った話では当然ないし、あらためて言うことでもないが、活動を通して特にそう思った。自分の中では必死に探しているつもりでも、実は「視野の外にあるもの」は結構多い気がする。そうしたものが、人と話すことによって、発見されたり、試してみようかなと心が向いたりする。新しい人との出会いは新しい世界を創造する。また、自分の中で煮詰めて煮詰めてすることが大事だが、それを誰かに聞いてもらったり、意見をもらったりすることも大事だと思った。
次に、僕は活動中に思いつく限りの方法を試してみようと思った。例えば、リクナビなどのサイトを通して、企業の説明会に行き…、というのは王道であるが、それ以外にも方法は沢山あるのではないかと思った。どうせやるなら、色々やってみようじゃないかと考えた。そのときに、変なこだわりは捨てて、助力を得られるなら、どんなところからでも得ようと考えた。そのために沢山の人に心配をかけたり迷惑をかけたりすることも少なからずあっただろうが、そんなことは言ってられなかった。


また、就職活動をするということ自体、相手から理解が得られなかったり、負け犬を見るような見下した目を向けられたりすることもあったが、そんなことにも気にせず、胸を張って宣言したらいい。就職活動は「逃げ」ではない、むしろ「挑戦」だ。アカデミアの方がよっぽど特殊な環境だし、経済や社会活動の動向の中に組み入ることは、よほど「正常」であると言えるだろう。
というか、むしろ「もともと全て就職活動」なのだ。「就職する」というと、なぜか、どうしても、「アカデミア以外のところに就職する」意味になるし、企業に就職するというと、どうしても「アカデミアから脱退した感」が付き纏うが、僕はポスドクも当然ながら就職の一部だと考えている。つまり、博士課程卒業後、生きていくためには、どう考えても「何かの職業に就くこと」が必要であり、その選択肢の一つが、「ポスドクコース」であり、別の選択肢が「企業への就職」なのだ。就職活動の時に、企業と企業を比べて、「給料がこっちの方がいい」やら「こっちの方がやりたいことができそう」やら「こっちの方が安定している」やら、そういう比較をすると思うが、それとまったく同様で、ポスドクと企業就職を比較して、どちらに就職するかを考えただけのことであって、「選択した」だけのことだ。実際、就職活動を始めた頃には正直とても上記のようには思えなかったが、今、もし後輩からアドバイスを求められたり、悩んでいる後輩を見たりしたら、このように言うだろう。就職活動に負い目を感じることは一切ない。今は心からそう思う。
だから、誰かに相談して、もし変なことや嫌なことを言われたりしても気にせず、自分にとって有益なことだけを判断して持って帰ればいい。

ただし、実際就職して、その会社の「中」に入れば、例えば「他に移りたい」とか「アカデミアに戻りたい」とか、もしかしたら思うかもしれない。それは入ってみないとわからないし、会社に所属してからもなるべく頭を流動的に働かせようと思っている。だが、正直、そういうことを不安に思っているのが本当のところではある。


以下に相談した相手、参考にしたサイト・団体などを示した。あまり、具体的に書くのはどうかなとも思ったが、思い切って書くことにした。

担当教官・教授
当然就活する意思を伝えるべき相手であり、また博士課程の就職がいかに困難極まるかを力説し、もしも何らかの助力が得られるなら、綺麗事を言わずに得るべきだ。理解が得られない場合も多々あると思うが、正直に話してできるだけ了解を得るのが良いだろうと思う。僕の場合はラッキーだったのかもしれない。
大学院の教務課
同じような境遇の人が過去にいるのではないかと思い、その体験談を知り得たら有益なのではないかと考え、大学院の教務課にも相談に行った。教務課の人はいちおう話は聞いてはくれるし、同情もしてくれる。が、基本的に何もしてくれない。過去に同じような感じの人が相談に来たことがあったらしいが、相談に来たというだけで、その後どうなったかは追跡していないようだ。そういえば、僕も結果報告してないので(お世話になったと思えないから)、こういう人間がいたのだろう。また、研究科の教授陣の中に就職係という人がいて(このとき初めて知った)、その教授に教務課から連絡はいちおうしてくれた。
大学院の就職係の教授
話は聞いてくれる。が、主に研究面について。「こうやったら、うまくいくんじゃないの?」などの研究面でのアドバイスがほとんどだった。今、教授職に就いているほとんどの人間は企業への就活なんぞしたことない人が大半であろう。だから、自分の世界に関してのアドバイスだけで、違う世界に関してのアドバイスができないのは仕方のないことかもしれない。「学歴も高いし、何とかなるんじゃないの?」という適当な無責任な発言にだけはかなり腹が立った。
1つ、注意すべきこととして、研究継続か就職かを迷っている段階ならアドバイスを聞いて吟味してもいいと思うが、もし心の中で就職を決めているなら、教授の言うアドバイスに決して心乱されないことだ。「もう少し頑張れば、なんとかなるかもしれんよ。」とか「自分の好きな道に進むのが一番。」とか、そういう研究方面に引き戻そうとする力をかけると思うが、それに屈しないで、自分の利益になると自分で信じることだけもらって帰ればいい。そもそも僕はそういうつもりで会いに行った。あと補足として、前述したが、この場合も、もしも就職活動に関して何らかの助力が得られるなら、綺麗事を言わずに得るべきだ。日本はまだまだ強烈な縁故社会であり、それはアカデミアの世界を見るとよくわかるはずだ。
大学の学生課
大学には学部・修士の人が就職する際などに、就職活動についてのサポートをする学生課のようなものが結構あるのではないか。ただ、国立大学はそういうことにまだまだ疎いようで、場所はあるが、正直、活動に本格的に力を入れている様子はあまりなかった(うちの大学は特に学生ほったらかしだから、その傾向が顕著かもしれない)。それでも、ここの人はかなり真面目に話を聞いてくれたし、面接でのしゃべり方等、相談して改善されたことも多かった。過去の相談者には、司法浪人や既卒就活者が多かったようだ。その人の活動などを一応知ることはできた。理系の博士課程者の相談者はまだほとんどいないようだったが、今後確実に増えるという危機感だけは抱いているように感じた。補足として、大学が企業を直接紹介する等はほとんどの場合期待できず、就職活動という個人の行動をバックアップすることだけだった。
所属している研究所のキャリアサポートセンター
研究所にもキャリアサポートセンターが新設されたということで相談してはみたが、多くは研究者・ポスドク、技官・テクニカルスタッフ職、アシスタント職の方の、職探しを業務としているようで、ほとんど役には立たなかった。学生は委託しているだけで、そのケアなどは業務外だった。
大学学部時代などの友人たち、所属機関の友人たち、ネット・メールを利用して得られた知人など
まず、同じような状況で過去に就職活動をしたという友人・知人が少しであっても見つけることができたというのは、自分の就職活動にとって、どれほど大きなことだっただろう。就職活動への恐怖の克服、実際の手段を知ること、ネガティブからポジティブへの変換、日々の精神的安定、活動のノウハウ、活動の改善、そういったことが大きく影響された。このブログを見ておられるかわからないが、この場を借りて、もう一度お礼が言いたい。本当にありがとうございました。
また、修士で就職した友人達から意見を聞くことによって、博士課程者の苦悩は彼らの言葉から解決することは困難だったがそれでも、就職活動に対するアドバイスをたくさん聞くことができた。
さらに、そうした人達と話しているうちに選択肢として現れてきた職業というものもたくさんあった。実際、最終的に内定をもらった企業も、彼らとの話の中からヒントが得られて存在を知ることができた。
博士課程者の就活は孤独である場合が多いと思うので、精神的安定性のためにも「友」を見つけることはとても重要なことであると思う。


博士の生き方 リンク:博士の生き方
管理人トリムさんが運営している、主に博士の方の進路等に関するサイト。就職活動でなくても、博士で生き方・今後の身の振り方を悩んでいる人は必ずと言っていいほど訪れた方がよいサイトであろう。管理人さんの「就職活動の進め方」や「さまざまな生き方」がまず参考になった。また、「数字で見る博士課程修了後」で、客観的に博士卒業の方がどうなるのか、ということの雑感が得られた。そして、「就職活動掲示板」では、自分と同じような境遇の方がおられるんだという安心感とともに、過去にどのような活動をされたかなどの質問履歴などを見ることができた。
NEETからの脱出−既卒・中退者の就職活動必勝法 リンク:NEETからの脱出−既卒・中退者の就職活動必勝法
編集長の西山さんが2003-4年に就職活動した経験から、就職活動必勝法の紹介や求人情報を掲載している。就職に至る心の葛藤や、とりあえずどういうところから行動を始めたらいいかなど、とても参考になった。また、とても苦しまれた様子などにシンパシーを感じ、精神的な孤独感を癒してもらった。


リクナビ、その他、「毎日就職ナビ」や「en 学生の就職情報」など リンク:リクナビ毎日就職ナビen 学生の就職情報
実際の活動に関しては、リクナビなどの就活情報サイトを活用した。大きなホールで何百もの企業が集まる就職イベントやOB訪問などもよく利用されるが、やってみたらいいのではないかとは思ったが結局やらなかった。就職イベントに関しては希望分野がバイオ系ということもあり、参加企業が少なかった印象があった。
主にリクナビなどを使いながら、膨大な数の企業のうちから少しでも興味を持てる企業を探し出し、説明会の予約などをしたり、履歴書・エントリーシートを書いたりなどした。リクナビへの企業登録料は非常に高く、登録しない企業も沢山あるとの情報を聞き、毎日就職ナビやen 学生の就職情報なども利用した。
ちなみに、募集のところに博士課程が記載されていなく、例えば「200X年学部・修士卒業予定者」などと書かれている場合でもあきらめない。僕の場合、企業1つ1つに直接電話をかけて(人事部の電話番号は大抵記載されている)、「博士課程に所属しているのですが、選考に参加することは可能でしょうか?」と聞いた。
就職四季報WEB リンク:就職四季報WEB
どのような業界、業種があるのか、どのような会社があってそれぞれの分野でのランキングはどうなっているのか、など、ぱっと知るにはとても良い。またWebだけじゃなく、本屋さんで売っている就職四季報を買ってきて、年収や平均年齢などの会社情報を調べたりした。
みんなの就職活動日記 リンク:みんなの就職活動日記
掲示板方式で、企業それぞれについて就職情報が書き込まれるため、自分と同じように就職活動進行中の方の情報がリアルタイムで得られる。面接を体験された方が内容を伝えてくれたり、過去の内定者の情報などもあったり、非常に有用。ただし、掲示板という性質ゆえ、情報に誤りがあったり、ネガティブな内容になったりすることもあった。面接を受けた後、返事が来た人が書き込む場合があり、連絡待ちでみんなの状態がどうなっているかということの参考になった。
リクナビNEXTなど リンク:リクナビNEXT
博士課程者を経験者採用として採用してくれる場合もあると聞いた(いちおう新卒扱いになるのかな?企業によって違うと思う)。その考えからリクナビNEXTなど、転職サイトも参考にした。また、直接それぞれの企業のHPを調べ、経験者採用情報を参考にした。ただし、条件が付いている場合がほとんどで、例えば「営業経験3年以上」とかの経験条件が書いてある。こういう「〜経験何年以上」という条件がある場合、博士課程者は業務経験があるわけがないので、条件を満たしていないことになる。素直に考えるとこの時点でアウトなのだが、しかし、こういう条件はネット上で提示されているだけであり、あきらめるのは少々早い。実際自分も、通常の新卒採用枠でダメならば、こういうところも探そうと考えていた。その場合、「〜経験何年以上」とかいう条件なんぞ無視して、相手の企業に直談判すべしとのアドバイスを友人から聞いた。とにかく話さえ聞いてもらえれば、「とりあえず履歴書送ってください。」といったファーストステップに入れる場合もあるのではないか。
ちなみに、リクナビNEXTの「叱ってちょーだい」というコーナーが好きで、参考にしたりした。
人材紹介会社 リンク:リクルートエージェントR&Dサポート
リクルートエージェントやR&Dサポートなど、いくつかの人材紹介会社にも登録した。相手企業に送る資料として、普通の企業のエントリーシートよりはかなり専門的な内容の記載(例えばある機械を操作できるなど)を要求された。感触としては、前者は企業紹介を一応ちょくちょくしてくれたが、対応が遅く、また紹介企業もあまり満足できるようなものではなかった。後者は、別の企業の東京での説明会時についでに訪れ、就職コンサルティングの方と直接お会いして相談した。その場でいくつかの企業情報をいただいたりした。一番役立ったのは、その方から就職の進め方に関するアドバイスを色々いただけたことだった。