蟲師(むしし)

蟲師 其ノ壱 [DVD]
アフタヌーンで連載中の『蟲師』(漆原友紀
最近、テレビアニメーション化や、映画化(オダギリジョー主演)など、人気が鰻登りの漫画です。まったくの0から、手に取って買ったんですが、とても気に入った漫画です。

「蟲」と呼ばれる、異形のモノ達と関わる「蟲師」ギンコのお話。妖世譚。イメージとしては、ゲゲゲの鬼太郎もののけ姫、そういったものに近いです。また京極夏彦のような妖怪物が好きならば、きっと気に入ると思います。


実は、僕は、こういう妖怪物(って言ってしまっていいのかな)が、好きだけど苦手だったりもするんです。好きな理由は、独特の世界観が好きだからです。
またSFも好きですが苦手ではありません。どちらもフィクションですが、SFは空想科学であるので、そこに多少なりとも、理論的な科学があります。例えば、ガンダムは世の中に存在しませんが、それはミノフスキー物理学によって達成され、核融合炉をエネルギー源として活動します。ミノフスキー物理学はもちろんフィクションですが、そこには摩訶不思議さはあまり感じません。ところが、蟲師的世界観は灰色の世界で、作者の漆原友紀さんも、「境界がはっきりしない、あやふやな世界。お茶漬けのような感じを常に出していきたい」と書いておられました。まさにそんな感じです。


どうやら、理性的に捉えにくいもの、掴みどころがよくわからないものが、少し苦手なようです。感情移入が激しいので、現実に戻って来れない感触が少しするんです。
蟲師の人気はずいぶん前から知っていたので、読んでみたかったのですが、今までどうしても手が出なかったのはそのせいだと思います。

苦手ではあるんだけど、とても気に入りました。オススメです。