目標管理と研究報告

配属が決まってから1ヶ月ほど経過しました。最初は実験が久しぶりだったことと、扱っているキットやら機器やらが慣れないものばかりだったことで、少々戸惑っていましたが、ようやく調子が出てきました。


さて、まだ初めて間もないですが、目標設定と管理というものを味わいました。これは大学にいたときにはなかったものです。多くの企業で同じようなものがあるそうです。個人個人が上期にどのような計画を立てて実験をするのかということを具体的に記述し、上司と相談の上、さらに上司に提出します。これは結構具体的なものであり、たとえば「**の実験を検証する」という抽象的な記述では認可されません。「いついつまでに、何をして、どう結果を出す」という、かなり詳細な記述が必要とされます。ただ、研究というのは計画通りには行かないのは当然のことなので、その辺は誤魔化しというか、そういう書き方があるという具合です。
また、各項目の重要度(全部で100%となるように各割合を設定する)、難易度を自分で設定します。これは後に評価に関係します。


大学にいたときは、教授の直轄だったせいもあり、研究の管理というのはあまり感じませんでした。定期的なプログレセミナーはありましたが、「こういう結果が出ました。次はこういう方向で頑張ります。」と言うだけで、詳細な計画は自分の頭の中だけ、という具合でした。ですので、自分で行動に出なければ、次の数ヶ月後のプログレセミナーまで本当に何も言われない、何も起こらないという感じでした。よく言えば自由。悪く言えば放置でした。
企業ではそこは大きく異なるようです。まず、実験データはノートに記述して全て管理され、うちのチームでは週一の簡単なチーム内報告会があります。そして月一で月度報告書を提出しなければならない。また、一つの課題が一段落付けば、詳細な報告書を提出しなければならない。と、こういう具合です。また、何を買う場合でも、全て上司の承諾と会社の購買を通すので(当たり前かもしれませんが)、個人の自由で買うことが困難です。秘密実験はしにくいかもしれません。ただし、上司によるとは思いますが、やることをやっていれば、「ちょっと、こういうことを調べてみたい」と言えば、結構、「じゃあ、やってみろ」という感じにはなります。


さて、目標設定を出した後、上期が終了したらどうなるかというと、それをもう一度振り返って達成度を評価し、それによって成果主義的に最終的な評価が下されるようです。割合を高く設定したものの達成度が高ければ高いほど評価は高く、低いものが達成できなくてもそれほど問題ではないといった具合です。また難易度が高いものを達成すればするほど、評価も高いという具合です。
ところで、設定していなかったものを達成した場合はどうなるのでしょうか。途中で、「あ、こういうのもできるかも」と思ってやってみたらうまくいったということは、研究では日常茶飯事だと思います。基本的には、そういうものは避ける傾向を感じています。つまり、目標設定にないものをやっても評価しづらいという感じです。これはちょっとどうかなと感じました。ただし、そうならないように、目標設定時には含みを持って記述するのがうまい書き方のようです。あるいは、中期的に訪れる目標設定の変更時期に書き直すこともできるようです。しかし、どっちにしろ、なんだか面倒くさいです…。