派閥争いと人事異動

上半期から下半期に移るに従って、うちの会社の研究所では組織改革が行われています。割とまだ組織が未熟なためか、チームの編成も未熟です。そのため、人員の異動も活発です。と、このようにかけば流動的でいいじゃないかと言われそうですが、そこはなかなか黒い部分があります。具体的には、各チームが、いかにしてできない社員を他に排出して優秀な社員を獲得するかに奔走する姿もあったり、テーマの不良でいきなりチームが解散したり、結果が出せてないチームリーダーがテーマを他人に譲渡させられたりと、かなりごたごたしています。また、永遠の課題かもしれませんが、いわゆる基礎対応用の争い、理学系と工学系の考え方の違いで、管理職クラスが二つぐらいに別れて権力を争っている姿も見ます。ああ、これが派閥争いかと思いました。


アカデミアでは、一般的にラボを越えて人員やお金が流動することはあまりありません(まあでも派閥争いはあるのかな)。よって、研究室同士は独立し研究室間の問題は起きにくいと思いますが、会社ではどうやらそうはいかないようです。
これをポジティブに使えば、人員の流動や研究費の譲渡が頻繁に起こせるので、簡単にラボの枠を越えれるというのは実はとてもいい側面も持っていると思うのですが。


ちょっと話がそれましたが、それで、かくゆう僕も少し争いに巻き込まれました。様子を伺いながら自分の方向性を主張しました。その結果、別のチームに配属になりました。前のチームは少し方向性が不明瞭過ぎるところが多く、新しい配属は環境がベターになりそうです。取り敢えずは良かったと思います。ただ、次のチームは成果にシビアらしいので、気合いを入れないといけないなと思いました。自己研鑽に努めます。


分野は、前のまま、免疫学です。
新しいボスから言われたことは、
「君は発生学・神経科学という少し毛色の違う分野出身だけれども、しばらくは免疫学を学んでくれたまえ。最初は知識不足や不慣れであるレベルに達するまでは時間がかかるだろうけど頑張ってくれ。そうして、免疫学の何たるかが分かってきた頃に、昔の異分野の感性が、そこに味付けされる。必ず君の味が出るようになる。」
だそうです。そうなのかもしれません。
免疫学を専門にすることには、とりあえずはとても喜びに感じています。なぜなら、目的が非常に明確な学問だからです。ヒトを相手にする学問がしたいと思っている僕にはうってつけかもしれません。