学会へ参加

はやくも12月になってしまいました。いや…、働き始めてからもう9ヶ月も経ったんですね。企業の影響を受けて、少しは企業人になれたかな。学生気分からは早く脱却したいものです。
11月から新しいラボに来て実験を始めていますが(まだ実験の準備ばかりでデータが出なくて刺激的でない毎日ですが)、だんだんと新しい仕事内容にも慣れてきました。新しいラボは人員も以前とは比較にならないぐらい優秀で、3/4以上が学位持ちという状態になってます。多くはポスドクから転職された方々です。うちのボスも、もともとは医者出身で免疫学の基礎研究を行っていた人ですから、その道の専門家です。なかなかいい環境に移れたなと思っております。
ところで、自分のテーマと、チームのテーマの歴史を学ぶために、文献セミナーに引っ掛けて、論文を追いかけました。テーマ的には非常に新しいところを攻めようとしているため、直接には2000年ぐらいの研究から発展してきたテーマです。いい意味でも悪い意味でも、最近ブームなところですので、非常に早いペースで次々と続報が出現してきている、ダイナミックな分野です。論文を読むうちに、次々と疑問が解決されてきて、論文を読んでいてもかなり快感でした。それと同時に、謎も深まっていくわけですが…。生物の仕組みとは不思議なものです。


ところで、免疫学を全般的に学ぶために、11月の下旬に日本免疫学会に参加させてもらいました。
参加した感想は、発生学会や分子生物学会、神経学会などと比べると、それぞれの分野が割と似通っているなと感じました。分野と分野の違いをそれほど感じませんでした。そのため、自分の専門以外の分野の話を聞いても、技術的にも知識的にも理解がしやすいと感じました。分子生物学会などでは、分野が異なればまるでよくわからないということが多かったと思いますので、そういったところはだいぶ違うなと思いました。免疫学は医学に直結しているので、目的は比較的明快です。「何のための研究か」というところはクリアーです。また、技術的にも似通ったものが多いので、「どのような研究でどのように攻めているのか」ということが理解しやすいと感じました。
ただ、僕が理学的人間だからかもしれませんが、研究の責め方は少し違和感を感じるところがありました。もしかしたら、いわゆる、医学系研究者と、理学系研究者の違いなのかもしれません。ヒトや病気の学問として医療ありきの研究と捉えるのか、それとも真理の追究として捉えるのか。


また、他に、医学会系の学会にも参加させてもらいました。救急学会と内科学会関連セミナーです。
両方とも、公演のほとんどは基礎研究や応用研究とは少し離れた、実際の医療現場を対象にしたシンポジウムが多かったですが、そういうシンポジウムでも、ファーマコゲノミクスやファーマコジェネティクスを含む、分子生物学的な医療がどんどん増えてきているという印象を受けました。
新しい世界に入るととても刺激的ですね。