エジプト新婚旅行まとめ (1)

11月中旬8日間、新婚旅行ということでエジプトに旅行に行ってきました。結婚式自体は5月だったのですが、結婚式の直後に旅行に行ったらばたばたして終わってしまいそうで勿体無いということで、だいぶ先に延ばしました。8月ごろから行き先を二人で考え始め、JTBのお店に行ったりして考えました。
相談しに行ったJTBの店員さんには、「多いのはやっぱりヨーロッパ、イタリア、フランスとかですね。」と言われ、新婚旅行ならやっぱりそういうところなのかなぁと思ったんですが、せっかくの1週間の休みで(しかも盆正月GW以外で)、こんな機会は定年までもうないと思ったので、行きたい所に行こうということになりました。僕自身は昔から遺跡系が大好きで、死ぬまでに達成したいリストには「エジプトに行く」というのが入ってまして、嫁さんもエジプトに行きたいと了承してくれましたので、念願のエジプトに行くことに決めました!旅行が決まった瞬間からそりゃもう大興奮で、夢のような1週間でした。


利用したのはJTBのツアーで、やはりそれなりに治安などが怖いということで添乗員+現地ガイドがダブルで付くタイプのツアーにしました。持って行く荷物は基本的には普通の荷物でいいんですが、エジプトは生水が危ない(お腹を壊す人がよくいる)そうで、日本で買ったミネラルウォーターや、胃腸薬、消化剤、下痢止めなどを大量に買い込んで行きました。元々、極めてお腹を壊しやすい体質ですので、それ以外にもお腹を壊して苦しんだ時用のお粥、湯沸かし器、さらには大人用のおもつまで持って行きました。これでお腹を完璧に壊して、移動が多くて地獄になっても万全だ。




1日目。エジプトへは成田や関西国際空港からエジプト航空による直通便が出ています。飛行機で13時間ぐらい、時差は−7時間。エジプト航空にはファルコン(隼)とファラオに似た絵が。嫁さんは飛行機が超苦手でして、出発離陸時には震えていました。日本時間の昼過ぎに出発し、途中、ハネムーナーだけに特別にケーキが出ました。エジプト空港に着いたのが、現地時間の10時ぐらい。思っていたよりも近代的な空港でした。最近改装?新築?されたとか。その日はバスでホテルに直行して終わり。1日目と2日目のホテルはル・メリディアン・ピラミッド。大きなプールが付いてとても綺麗なホテルでした。ピラミッドからも非常に近いということでしたが、1日目到着時にホテルの窓からピラミッドビューを試みても、何にも見えませんでした。





2日目。朝ベットで目が覚めると、エジプトにいるんだっていう感覚がなく不思議な感じがしました。しかし、昨日は何も見えなかったホテルの窓をさっと開けてみると、そこにはすぐ目の前にピラミッドが!これは感動的でした。ピラミッドがすぐそこにあるっていうのはなんとも奇妙な感覚です。とても現実感がない。
さて、朝飯を食った後、いよいよ出発です。バスで数分だったかな、あっと言う間に到着しました。クフ王のピラミッドの内部に入ることができるツアーだったのですが、入る人数は一日限定されており、毎朝チケットを並んで手に入れる必要があるそうです(ツアーだったので現地の係員が用意してくれました)。バス駐車場を出てピラミッドに近付いていくと、なんという巨大さ。目の前が巨石の建造物だけで覆われてしまいます(遠くからピラミッドを見ると三角形ですが、近くから見ると巨大過ぎて二等辺三角形の2つの辺が水平に見えてしまうぐらい)。盗掘者の穴からミラミッドの内部に入り、王の間へと入りました。残念ながら写真撮影は禁止だったのですが、途中、狭い通路を登っていき、そこからいきなり大回廊へと広がる感動はとてもすごいものでした。この大きな建造物に実に緻密な内部構造。一体、どうやって作ったのでしょうか。
僕は元々とても考古学に興味があるのですが、それというのもかなりピラミッドの功績が大きいと感じています。ピラミッドと言えば特に映画十戒のイメージが強いため、昔は大量の奴隷によって建造された支配力の象徴というイメージを強く持っていましたが、建設労働者の村が発見されてそのイメージは一変しました。彼らは決して奴隷ではなく、雇用者として、そして普通の市民として、家族を持ちそれなりに幸せな環境を持って雇用契約を結んだ労働者だったというものでした。人間というものは何かを強いることで無理やり力を出すということよりも、社会環境システムを構築して運営した方がよりよい力を出せるという証明のように僕には感じました。しかもそれは結局何千年前であろうが現代であろうがさほど変わりはなく、人間の精神的な営みの歴史が実に古いことを窺わせる証拠のように思えました。こういうところから僕は考古学というか歴史が好きになったような気がします。


さて、その後、カフラー王メンカウラー王のピラミッド、太陽の船を見学し、スフィンクスを見に行きました。一般の観光客はまったく入れないのですが、今回のツアー客のみスフィンクスの間近まで降りられる特典がありまして、スフィンクスに直に触れることができました(損傷が激しいということで一部修復中でした)。遠くから見ていると比較的小さい印象ですが、触る位置まで来ると、これがまた圧巻。見ると幸運になるというスフィンクスの尻尾も見てきました。


最後はエジプトは9割がイスラム教徒ということで、カイロにある最も巨大なモスク、モハメドアリモスクを訪れました。古代建造物とは違ってこれはまた美しい建物で、内部からのドーム構造下装飾はとても綺麗でした。現地ガイドさんもイスラム教徒ということで短時間でしたがイスラム教の基本的な思想の手ほどきを受けました。実は僕はイスラム教にも結構興味を持っておりまして、講釈はとても楽しいものでした。ガイドさんが言うには、日本におけるイスラム教イメージは、ウサマ・ビンラディンなどの過激派のイメージに圧倒的に支配されていますが、彼らはイスラム教徒であるとはまったく思っていないと。イスラム教はそんな宗教ではないと言うことでした。これだけ大多数の国に広まったイスラム教は非常に理に適った論理体系と影響力を持っていると思っています。機会があれば他の宗教と比較しながらその思想を学ぶ機会があればいいなと思いました。