論文

Pascual A, Huang KL, Neveu J, Preat T.
Neuroanatomy: brain asymmetry and long-term memory.
Nature. 2004 Feb 12;427(6975):605-6.
(Brief communication)

以下、Natureハイライトより抜粋。
ショウジョウバエの長期記憶には非対称な構造を持つ脳を必要とするようだ。脳の両半球が同じ構造のショウジョウバエは、数時間程度しか情報を保持できない。
ほとんどのキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)は、脳の右半球に「非対称体」とよばれる丸い構造をもつとT Preatたちは述べている。しかし7.6%のショウジョウバエではこの構造が脳の両側に1個ずつあり、こういうハエは数日間記憶を保持する必要のあるテストに落第してしまう。
Preatたちは、匂いと電気ショックとを関連づけるようにショウジョウバエを訓練した。3時間後にテストを行うと、すべてのハエがこの匂いを回避する行動をとり、非対称な脳も対称な脳もともに短期記憶は形成できることがわかった。しかしもっと厳しい訓練を行った場合でさえ、4日後に関連を覚えていたのは、片側だけに非対称体をもつハエのみだったのである。」

へー。って感じ。海馬がないショウジョウバエではどのようにして記憶が形成・保持されるんだろう?あと両半球が同じ構造のショウジョウバエとは何のミュータントだろう…。原因よりも、どのような構造が、そしてどのような神経細胞ネットワークが長期記憶を形成しているのかが一番おもしろいかもしれない。