論文

Kennedy S, Wang D, Ruvkun G.
A conserved siRNA-degrading RNase negatively regulates RNA interference in C. elegans.
Nature. 2004 Feb 12;427(6975):645-9.
よく保存されたsiRNA分解RNアーゼが線虫のRNA干渉を負に調節する

「線虫の神経系のmRNAは、ほとんどすべてがRNA干渉抵抗性を示す」らしい。知らなかった…。線虫をモデルとして神経科学をやろうとする人間にとって、これは大問題だ。
「eri-1遺伝子は、dsRNAに対する感受性が亢進した変異体の遺伝子から見つかった。本論文では、eri-1が進化上よく保存されたタンパク質をコードし、このタンパク質はsiRNA分解RNase」。
「線虫のERI-1やヒトの相同分子種は、in vitroでsiRNAを分解する。線虫ではERI-1は主として細胞質に存在し、生殖腺やある種のニューロンで最も多く発現されている。このことから、ERI-1のsiRNアーゼ活性がこれらの組織でのRNA干渉をより強く抑制しているのではないか」。
さてさて線虫で神経科学を行う上でのこの障害をどのように取り除いたらいいのだろうか。単純にeri-1変異体をコントロールとしてしまって実験を進めたらいいのかな?しかし、ERI-1が生体内で重要な機能をしてると困る…。
マウスなどのmammalでは神経細胞でもちゃんと利くようだが、ERI-1のことは少し頭に置いておいた方がいいかもしれない。