絶海の孤島の殺人

孤島パズル 江神シリーズ (創元推理文庫)
(小説の感想20) 孤島パズル ★★★★☆
『英都大学推理研初の女性会員マリアと共に南海の孤島へ赴いた江神部長とアリス。島に点在するモアイ像のパズルを解けば時価数億円のダイヤが手に入るとあって、早速宝捜しを始める三人。折悪しく嵐となった夜、滞在客のふたりが凶弾に斃れる。救援を呼ぼうにも無線機が破壊され、絶海の孤島に取り残されたアリスたちを更なる悲劇が襲う!』というストーリー。
月光ゲーム、孤島パズル、双頭の悪魔の3部作の、第2弾。有栖川有栖推理小説は、緻密な正統派の推理小説ですね。1つ1つの謎が余すところなくパーツになっていて、組み上がったときに、ジグソーパズルが出来上がる。読み終わった時に、そういった清々しさがあります。また、『こんなん無理やろー』という、トリックの奇想天外さを追求するあまり、非現実的なトリックを展開する推理小説がありますが、有栖川有栖の作品はあまりそういうのは感じられず、オチを聞いても納得、という感じです。ということで、★は4つ。