企業博士になって思うこと。

4月2日から働き始め、2週間、まず合宿型新入社員研修を受けました。うちの会社では、職種別採用という採用方法を取っておらず、新入社員研修時には同条件で、全員一括して合同研修を受けます。研修の内容は、会社の各部署の現在の動向や、社会人としてのマナー、また新入社員同士の結束を高めるためのグループワークなどなどでした。うちの会社では、新人は営業職に行く人が多く、明るく元気な人が多くてとても楽しい時間を過ごしました。なんというか、年を食うごとに、生き方に対する黒さみたいなものが自然と身についてきてしまうんですが、学部卒や修士卒はそういったものがあまりなく、若々しい感じがしました。いいね、若いって。
2週間の研修の後、最後に辞令を受け、僕の場合は希望通り研究所配属になりました。とりあえず良かったです。ただ、営業経験というのもやってみたかったかなと心の奥では思いました。ずっと営業は当然嫌ですが、少しなら自分にとっていい経験になるだろうと思いました。
博士課程の人間の場合はほぼ研究職配属でしたし、辞令前にもなんとなくそうだろうなとみんな思ってました。しかし、開発職やその他の学術職などの希望の人は、ほんとにどこに行くかハラハラしてました。希望がかなっていける人もいましたが、営業は嫌なのに営業になった人も沢山いました。ただ、うちの会社は、一つの職種を全うするタイプの人は非常に少ないようで、各部署を結構移動するようです。そういった意味では、技術職の人間でも、他の職種を体験することはとてもいいことのように思えます。
ちなみに、今年研究職にいけた人間は、男は全て博士持ちの人間でした。学位が取れて本当に良かったです。


さて、3週目は、配属後研修が始まりました。僕の場合はもちろん研究所での研究職研修です。会社の持っている技術や製品の詳しい紹介などを受講しました。うちの研究開発部門は歴史が浅いこともあり、研究職の先輩は、ほとんど他の会社からの転職・引き抜き組です。部長レベルの研究員は非常に頭が切れる・怖そうな人が大勢いました。これはとても良かったなと感じました。切れ者の側にいた方が、断然成長力が違うというものです。
来週は、大学のときに研究していた研究内容を発表します。それを先輩方が聞いて、自分のとこに引っ張り、最終的な配属グループが決定するようです。




今のところ感じることとして、学生の時と、社会人になっての今と、大きく変わるのは4つあります。


一つ目は、時間感覚です。もうすぐすればフレックスタイム制度が適応されますが、そうなったとしても、時間の把握は極めて厳密です。当たり前ですが、遅刻はできません。昼食時間等も厳密に決まっています。また残業する場合も、上司の承認が必要ですので、むやみ勝手に遅くまでいれば残業になるというわけではありません。基本的には就業時間内に仕事を終わらせるような予定を組んで、それからはみ出たら残業、という概念のようです。まあ、入ってしばらくしたら、たんまりと残業しなきゃいけないでしょうけど。また、就業時間内にネットサーフィンしたりすることも当然できません。


二つ目は、金銭感覚です。あらゆる場面でコストをマネジメントしろと言われました。デスクの前には、各グループが年間に与えられた予算を貼らされました。大学にいるときは、学生だったこともあり、予算管理はどちらかというとボスの役割でしたが、企業ではそれがシビアで、各人が高いレベルでコスト意識を持つように推奨されているように感じました。ま、営利目的なので当然かもしれません。


三つ目は、公私の非混同です。就業時間内に私的メールや電話は当然ダメだし、パソコンの中にも、私的流用物は一切入れてはいけません。企業に入れば、どこでもそうかもしれません。


四つ目は、人材の育成です。黒い話やブラック企業もあるでしょうけど、いちおううちの会社では人材育成にそれなりの責任を持っていることを感じます。なにぜ、多大な金額をかけて採用活動を行って採用したんです。すぐ辞めてもらっては困るし、企業に対して利益をもたらしてくれる人物に育て上げなければ採用した意味がないという根本的考えを感じました。