カンボジア旅行 まとめ (2)

3日目。これ以後の観光予定は2日目と比べると俄然楽です。3日目は午前中にバンテアイ・スレイなどの遺跡巡り。午後はいわゆる小回りコースという日程でした。だったのですが、いずれも午前中+午後少しで終わるということで、日程表と違い3時頃から夜まで時間ができるということでした。ということで、夕方に本来ツアーになかったトンレサップ湖観光というオプショナルツアーを入れることにしました。ツアー客の他の皆さんも、ガイドさんの巧みな話術によって(笑)、皆申し込んでいました。オプションツアー1人辺り40$でした。


まず、午前は、バンテアイ・スレイという遺跡の観光から始めました。「女の砦」と呼ばれている遺跡だそうで、クメール芸術の至宝と絶賛されている遺跡だそうでした。確かに、その装飾、レリーフは見事なもので、とても綺麗に鮮やかに残っていました。その肌理の細かいこと!この後にも様々な遺跡を観に行きましたが、ここのレリーフは確かに細密さで群を抜いていました。祠堂や寺院自体はとても小さなもので、観光客がわっと押し寄せると一杯になるので、午前中の早い時間帯がお勧めだとガイドさんが言っていました。いくつかの壁画にはクメール文字が刻まれておりまして、どこの文字とも違う、奇妙な、しかし規則正しく美しく並ぶ文字の羅列を見ることができました。一部の文字は現在のカンボジア語でも見られるそうです。
次に向かったのが、スラ・スランという貯水池です。王の沐浴池だったそうです。が、今見ると、まあ大きな池にしか見えません。ここでは一応バスを降りて、写真を撮りましたが、矢継ぎ早に次の遺跡へ出発しました。


次に向かったのが、とても人気のあるタ・プローム遺跡でした。ここはとても印象に残っておりまして、非常に大きな巨木が遺跡に絡みついている、何とも不思議な風貌の遺跡です。木はガジュマルの木の一種だそうで、表面は割りとつるつるした感じの木でした。ガイドさんによると、遺跡が使われていた頃、手入れされていた頃は、人がいるために鳥などが寄り付かない。ところが無人になると、鳥が沢山巣食っていって、鳥が糞をして植物の種を遺跡の上に落としていく(多くは遺跡の天井や屋根)。そうすると、遺跡の上部から木が生え、水を求めて根を伸ばし、そのうち遺跡と一体化してしまったのだということでした。小さい木の頃は、駆除修復もされていたそうなのですが、これだけ大きくなってしまうともはや不可能。むしろ巨木と一体化した遺跡に人気が出ているので、もはや取ることは敵わないそうです。しかし、何十年か後、巨木が益々大きくなった時には遺跡が残り続けられるかは疑問で、崩壊してしまう恐れが高い、とのことでした。トゥーム・レイダーの映画の撮影場所にもなった場所もありました。とても印象に残った、オススメの遺跡です。





次に、タ・ケウという遺跡にも寄りました。ガイドさんによると、途中で雷が落ちて、未完成のまま放置されたのだとか。結構、高さがありましたので、登っても良かったのですが、みんな結構疲れてきていたので(笑)、大方の人は下から眺めただけでした。


この次に向かったのは、バンテアイ・クデイという遺跡です。上智大学の日本調査団が遺跡発掘をしたらしく、看板が立っていました。仏教からヒンドゥー教に改宗させられたときに、仏像が沢山埋められていたそうです。この遺跡の見学の頃になると、だんだんと、どの遺跡も似てるよなって感じになってきまして(笑)、写真を撮っても後からどの遺跡かわかるかなぁという感じになっていました。バンテアイ・クデイは、他の遺跡と雰囲気や構造が似ているのですが、割とまっすぐ奥に伸びた感じの構造になっていまして、通路を通して、奥の方まで見えるのが印象的でした。各通路には、四角形の門のようなものがあるのですが、これが奥に行くにつれて、どんどん小さくなっていきます。ガイドさんによると、寺院は、対象物を敬うように、参拝者が自然と頭を下げるように、通路の門を小さくしているのだそうです。いくつかの遺跡の階段は非常に急になっていましたが、これも同じような理由で、あえて登りにくいようにすることで参拝者に畏敬の念を与える構造になっているということだそうです。
最後に向かったのがプラサート・クラバンという、アンコール初期に建立されたちょっと古めの遺跡でした。他の寺院と違って、こちらはレンガ作りで造られていました。内部にはレリーフが残っていました。





さて、遺跡巡りを終えて、一息付いた後に、昼食です。この日の昼食は西洋風料理でした。それを食べた後に向かったのが、マンゴーシェイクの店で、これは結構美味しい味でした。日本人が経営している店だそうで、水も大丈夫な水を使っているそうです。隣にある、アンコールクッキーの土産物屋にも寄りまして、お土産用にクッキーを買いました。


さて、ホテルに戻ってしばし休憩の後、この日、最後に向かったのがトンレサップ湖です。ツアー日程には入っておらず、オプション料金を払ったやつです。バスでちょっと出掛けていき、南にあるトンレサップ湖に向かいます。そこから小船に乗り換えて、湖の沿岸、少し沖の方へと進みました。この湖は何が有名かというと、水上生活者の村。家が浮いていることから始まって、学校、教会、運動場など、全部船の上に浮いているんです。水上生活者の生活環境は非常に貧しく、カンボジアの現状を目の当たりにできるという意味でもいい経験でした。少し沖の方に、大きなレストランのような場所があり、そこに船を一時停泊して、高台に上がり、今年最後の夕日をみんなで見ました。トンレサップ湖は本当に大きな湖で、今の乾季でも琵琶湖の3倍はあるそうです。その湖の水平線に、今年最後の夕日が沈む姿を、はっきり見ることができました。感動。


ホテルに帰って休んでいると、さすがに大晦日なので、ホテルが企画したHappy new year partyが中庭で開催されていました。これがうるさいやら騒がしいやら。結局2時ぐらいまで大声で騒いでいるのを聞きました。ベットにゴロンとなりながら、ふとテレビをつけると、NHK紅白歌合戦がやっているではないですか。カンボジアで紅白を見れるとは思っていませんでしたが、31日の最後は、紅白を見て、行く年来る年を見るという、意外と和風な大晦日を過ごす感じとなりました。