恋愛は怖いね

イニシエーション・ラブ (文春文庫)
(小説の感想7) イニシエーション・ラブ ★★★★★
ミステリー小説を読み漁った第7弾。この本のタイトルは、どんでん返し系のミステリー小説で、よく目にしました。比較的短かったので読みやすかったです。
『僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。甘美でときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説−と思いきや…』というストーリー。
全編を通して、恋愛小説タッチで描かれていますので、誰も密室で死にませんし、連続殺人も起こりません。刑事も探偵も登場しません。普通のミステリーとは一線を画すストーリーでした。あんまり書くとネタバレになってしまいますので書けませんが、作家の緻密な構成が見事です。細やかなテクニックと、周到に準備された様々な品が素晴らしいと思いました。最後まで読んでも、作者の意図の全ては読破できないかもしれません。その場合は、ネットに解説が色々転がっているので、そちらをどうぞ。ということで、★5つ!