ハサミ

ハサミ男 (講談社文庫)
(小説の感想11) ハサミ男 ★★★★★
これもいわゆるどんでん返し系で有名な作品らしく、評価が高かったから読みました。ハサミ男という、シンプル(?)で、意味深なタイトルも気になりますね。
『美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査を始める…。』というストーリー。
素晴らしい!まんまと騙されました。裏表紙のあらすじにもある通り、猟奇殺人犯「ハサミ男」が、なんと模倣犯の殺人の発見者となってしまうという、そんな偶然あるか!?というところから始まりますが、そこだけ納得すれば、あとは素晴らしい。また、殺人犯自身が探偵役となって、模倣犯の調査を始める、というシチュエーションも面白くて素晴らしいですね。また、各所に散りばめられたヒントや伏線も、実に繊細に用意されていて、余すところなくオチに結びついている。面白かったです。ということで、★5つ!