シッポサキマルマリ

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
(小説の感想15) アヒルと鴨のコインロッカー ★★★☆☆
一応、ミステリーという枠の小説のようでした。あらすじを読むと、とてもそんな感じはしなかったのですが。しかし、Amazonで評価がとても高く、また映画化されており、そちらも評価がとても高いので、興味が沸いて読んでみました。
『引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑。そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ。』というストーリー。
最初から半分ぐらいは、「なんの話や…」という感じです。あらすじの通り、広辞苑を奪うために本屋を襲う、意味不明な展開から話が始まりました。正直、半分ぐらいまでは辛かったです。しかし、後半は一転、「どうなるんだ!?」との思いが強まり、一気に読んでしまいました。ちゃんとミステリー的オチもしっかりしていて満足なストーリーです。他の人の評価を読むと村上春樹に文体が似ているようですね(僕は読んだことがないからわかりませんが)。独特の人物設定と表現で、特に女性が好きな文体かもしれません。★3つ。