芝居か真実か

ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
(小説の感想19) ある閉ざされた雪の山荘で ★★★★☆
『早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した若き男女七名。これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、一人また一人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの中に疑惑が生まれた。果してこれは本当に芝居なのか?』というストーリー。
何と言っても設定が素晴らしい。多くの推理小説では、クローズドサークルという外界から遮断された事件環境が、突然の自然環境などで発生する場合がある。ファンは、ある意味、お約束として受け入れると思うが、今回の話では、その設定自体も実に巧妙に考えられている。また、それに加えて素晴らしいのが、芝居か真実か、という2択で、この駆け引きが何とも面白い。ということで★4つ。