ある黒人の人生の軌跡

大統領の執事の涙 [DVD]
(映画の感想128) 大統領の執事の涙 ★★★★★
『綿花畑で働く奴隷の息子に生まれた黒人、セシル・ゲインズ。ホテルのボーイとなって懸命に働き、ホワイトハウスの執事へと抜てきされる。アイゼンハワーケネディ、ジョンソン、フォードなど、歴代の大統領に仕えながら、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争といったアメリカの国家的大局を目の当たりにしてきたセシル。その一方で、白人の従者である父親を恥じる長男との衝突をはじめ、彼とその家族もさまざまな荒波にもまれる。』というストーリー。
基本的には黒人差別における米国の歴史を、歴代大統領とその執事を務めた主人公の視点で、オーバービューしている本作。同時に、主人公の長男は、黒人差別への抵抗という意味で父親と一貫していながら、全く違う人権運動の道を進みます。激動の人生を歩みながら、二人がそれぞれの道で葛藤し、そして衝突し合う姿はとても印象的でした。また、幾度もの悲劇を含みながら、それでも世の中はあるべき姿に向かって少しずつ良くなっていっているという、Hopefulな気持ちを持たせてくれるストーリーも良かったと思います。ということで、★は5つ!