白と黒のクイーン

盤上の敵 (講談社文庫)
(小説の感想24) 盤上の敵 ★★★☆☆
『自宅に殺人犯が篭城、妻が人質に!? 警察が取り巻き、ワイドショーのカメラが中継する中、末永純一は唯一人、犯人との取引に挑む。盤上の敵との争いは緊迫のうちに進み、そして取引は震驚の終盤を迎える…。』というストーリー。
チェスの盤上に見立てて、黒白のキング・クイーンの展開を、現実の世界へと反映する面白い設定。殺人犯に妻を人質に取られた主人公の行動と、妻の回想録という、奇妙な展開で進んでいきます。序盤・中盤は、「何の話なんだ、これは」という感じで、読み辛い感じでしたが、終盤ではある種のどんでん返しが展開されて、伏線が回収されてスッキリした読み終わりを得ることができました。ただ、キングとクイーンの関係がもっと複雑に絡まっていれば、より素晴らしかったのにと思いました。ということで、★は3つ。