殺人クイズ

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)
(小説の感想26) 密室殺人ゲーム王手飛車取り ★★★★☆
『“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである…。リアル殺人ゲームの行き着く先は!?』というストーリー。
「葉桜の季節に君を想うということ」で歌野 晶午に興味を持ち、読んでみようと思った2作目。うーむ、とても今風な斬新な設定。一般的に推理小説とは、犯人当てとトリック当て、動機の告白で成り立っている気がしますが、この作品では超大胆なことに、犯人宛てと動機を放棄し、殺人方法を解明するトリック当てのみに焦点を当てた作風になっています。全くの無関係の人間を、殺人クイズを作るためだけに殺すという設定は、違和感が強い設定ながら、純粋にクイズものとして昇華されている気がします。ただショックだったのは続き物だったということ!密室ゲーム2.0を読まなければならない…。ということで、★は4つ。