ループ探偵

七回死んだ男 (講談社文庫)
(小説の感想28) 七回死んだ男 ★★★★☆
『どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。』というストーリー。
ループものと推理小説を合体させた珍しい作品。冒頭、妙に説明臭いのが気になりましたが、設定がややこしいのでそれも仕方がないか。ループものならではのトリックとオチはとても秀逸で、SF推理小説というか、新しい息吹を感じました。何回も何回も同じところをループさせると、それを読んでいる読者は少なからず「飽き」が来るものですが、そこもとても工夫されている印象があり、飽きずにざっと読み終えることができました。ということで、★は4つ。