探偵死す

新装版 動く家の殺人 (講談社文庫)
(小説の感想31) 動く家の殺人 ★★★☆☆
『名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。6年前の稽古中の死亡事故と関係が? 信濃が命をかけて謎解きに挑む。』というストーリー。
『長い家の殺人』から続く「家」シリーズ三部作の完結編。作者いわく、シリーズを通じて活躍してきた名探偵、信濃譲二を「退場させるために」書かれた作品のようです。当初は綾辻行人館シリーズのようなものをイメージしてシリーズ化しようとしていたのかもしれません。終盤のいくつものどんでん返しの連続は、さすがと思いましたが、いまいちパンチに欠けた感じがありました。おそらく、殺人事件自体と、その犯人、そのトリックに理由があったように思います。最後の方のオチは良かったと思いますが。ということで、★は3つ。