銃社会

ニューオーリンズ・トライアル/陪審評決 プレミアム・エディション [DVD]
(映画の感想173) ニューオーリンズ・トライアル ★★★★☆
『ある朝、ニューオーリンズの証券会社で銃乱射事件が発生。犯人は16人を死傷させ、最後には自殺した。そして、この事件で夫を失った女性セレステが地元のベテラン弁護士ローアを雇って、犯人の使用した銃の製造メーカー、ヴィックスバーグ社を相手に民事訴訟を起こす。2年後、いよいよ裁判が始まろうとしていた。被告側は、会社の存亡に関わるこの裁判に伝説の陪審コンサルタント、フィッチを雇い入れる。彼は早速あらゆる手段を駆使し陪審員候補者の選別に取り掛かる。やがて陪審員団が決定するが、その中には謎に包まれた男ニックも含まれていた。』
法廷闘争もので、陪審員制度とそれを利用する者たちを描いており、とてもハラハラドキドキの展開でした。銃規制というアメリカにとってシビアなテーマも扱っており、その流れもとても面白いものでした。★は4つ。

 父と子の確執

ジャッジ 裁かれる判事 [DVD]
(映画の感想172) ジャッジ ★★★★★
『金で動く辣腕弁護士として知られるハンク・パーマーは、絶縁状態の父ジョセフが殺人事件の容疑者として逮捕されたことを知る。判事として42年間も法廷で正義を貫き、世間からの信頼も厚い父が殺人を犯すはずがないと弁護を引き受けるハンクだったが、調査が進むにつれて疑わしい証拠が次々に浮上し…。』
法廷サスペンスかと思いきや(その要素もありますが)、真犯人を探し出すどんでん返し系の映画かと思いきや、ヒューマンドラマとしての色合いが濃い映画でした。父と子の確執、兄弟のいざかい、そういうものを乗り越えて、主人公が原点に立ち戻り、自分探しするというところが見どころだと思います。とても感動的でよくできた脚本でした。★5つ!

 犯人は3人の誰か

私が彼を殺した (講談社文庫)
(小説の感想35) 私が彼を殺した ★★★★☆
『婚約中の男性の自宅に突然現れた一人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数とその行方。加賀刑事が探りあてた真相に、読者のあなたはどこまで迫れるか。』
加賀刑事の事件で、「どちらかが彼女を殺した」と似ていますが、その話では犯人候補は2人だったのに対し、「私が彼を殺した」では犯人候補は3人と増えています。また、それぞれの容疑者が複雑に事件に絡み合っており、犯人当てはかなり難しい感じでした。結局、袋とじというか、ネットで解説を見て、なるほどと分かった感じです。東野圭吾の作品は、トリックもさることながら、とにかく人間関係の設定にも引き込まれますね。★は4つ。

 カジノ強盗

オーシャンズ11 特別版 [DVD]
(映画の感想171) オーシャンズ11 ★★★☆☆
『4年の刑期を終え、仮釈放されたカリスマ窃盗犯ダニー・オーシャンは、すでに次なる標的を決めていた。それは、ホテル王ベネディクトが経営するラスベガスの3大カジノの巨大地下金庫に眠る総額1億5000万ドル。計画遂行のためにオーシャンがスカウトを開始。11人のスペシャリストたちによる犯罪ドリームチームが誕生したが…。』というストーリー。
ジョージ・クルーニーブラッド・ピットマット・デイモンジュリア・ロバーツなどの豪華俳優陣で送る、オールスター映画。地下金庫の財宝を盗む手口も面白い。観ながら、ミッションインポッシブルを思い出しました。ということで★は3つぐらい。

 UFO

女王国の城 上 (創元推理文庫)
(小説の感想34) 女王国の城 ★★★☆☆
『舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、四人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。“城”と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し…。』というストーリー。
宗教団体に捕われる、入り込むというストーリーで、クローズドサークルを見事に構築し、その後の推理のロジックの展開もさすが。ただ、これだけの長編でありながら内容に乏しく、最後まで読むのに少々疲れました。400ページぐらいにまとめられたのではないかという感じです。そういう意味では、3つ目の双頭の悪魔が至高。ということで★は3つ。

 グレース・ケリー

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札 [DVD]
(映画の感想170) グレースオブモナコ ★★☆☆☆
『女優を引退しモナコ大公レーニエ3世と結婚した公妃グレースは、アルフレッド・ヒッチコック監督からの新作オファーに心が揺れていた。そんな折、夫の推し進めていた政策が当時のフランス大統領シャルル・ド・ゴールを激怒させ、武力衝突に発展する可能性もある危機に直面。彼女はスクリーン復帰か、家族そして国家のために全てをささげるかの選択に直面し…。』というストーリー。
大女優グレース・ケリーが、モナコ王妃となった話。また、モナコとフランスの間の政治危機による、モナコ存亡の話。話を知らなかったので新鮮でしたが、いまいち盛り上がりに欠けたかなという感じでした。★は2つ。

 有栖川・火村の短編

英国庭園の謎 (講談社文庫)
(小説の感想33) 英国庭園の謎 ★★★☆☆
『資産家の人知れぬ楽しみが、取り返しのつかない悲劇を招く表題作。日本中に大パニックを起こそうとする“怪物”「ジャバウォッキー」。巧妙に偽造された遺書の、アッと驚く唯一の瑕疵(かし)を描いた「完璧な遺書」──おなじみ有栖川・火村の絶妙コンビが活躍する傑作ミステリ全6篇。待望の〈国名シリーズ〉第4弾』
短編ものはあまり記憶に残らないのですが、最後の英国庭園の話は、長編ものに成り損ねた短編作品という感じでしょうか。今後、この有栖川と火村のコンビが実写化されるそうですね。ということで、★は3つ。