シュワちゃん復活

ターミネーター:新起動/ジェニシス ブルーレイ+DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
(映画の感想169) ターミネーター 新起動/ジェニシス ★★★★☆
『2029年、ロサンゼルスでは人類抵抗軍が人工知能による機械軍との戦いに終止符を打とうとしていた。1997年、機械軍による核ミサイルで30億人もの命が奪われた“審判の日”以来の悲願がかなうときが目前に迫る。一方機械軍は、抵抗軍のリーダーであり、驚異的な力を持つ予言者ことジョン・コナーを生んだ母サラ・コナーを亡き者にすべく、1984年にターミネーターを送り込み…。』というストーリー。
ターミネーター1のT-800型やターミネーター2のT-1000型が出てくる、リメイク作品?リブート作品?と思いきや…。過去作品の作り直しは、昔の作品の方がよかったなぁと、だいたいにおいて失敗することが多いのですが、この作品は非常に成功した例だと思いました。過去を振り返りつつ、それを包含して新しい要素を組み入れた、脚本が素晴らしいと思います。ということで★4つ。

死刑制度廃止運動

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル [DVD]
(映画の感想168) ライフ・オブ・デビッド・ゲイル ★★★★☆
アメリカ、テキサス州。大学の哲学科で教鞭を執る人気教授デビッド・ゲイルは、妻と息子を愛する良き父親であり、死刑制度反対運動に熱心に取り組む活動家でもあった。その彼が、今は活動団体の同僚女性をレイプしたうえ殺害した罪で死刑が確定し刑務所の中にいる。デビッドは死刑執行直前になり、突然人気誌の女性記者ビッツィーを指名し、多額の報酬と引き替えに残りの3日間での独占インタビューを許可した。デビッド・ゲイルの有罪を疑っていないビッツィーは、彼の話を聞くうちいつしか冤罪を確信するようになるのだが…。』というストーリー。
デビッド・ゲイルは有罪なのか、それとも無罪なのか。真犯人は誰なのか。死刑執行が近づく中、ビッツィーは真相究明に間に合うのか。二転三転するストーリーでハラハラ。かなり楽しめました。ケヴィン・スペイシーの演技も素晴らしいですね。ということで★は4つ。

恋人の過去

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)
(小説の感想32) むかし僕が死んだ家 ★★★☆☆
『「あたしは幼い頃の思い出が全然ないの」。7年前に別れた恋人・沙也加の記憶を取り戻すため、私は彼女と「幻の家」を訪れた。それは、めったに人が来ることのない山の中にひっそりと立つ異国調の白い小さな家だった。そこで二人を待ちうける恐るべき真実とは…。』というストーリー。
いわゆる殺人事件が発生し、その犯人がいて、探偵が真実を突き止める、というタイプの推理小説ではありません。サスペンスというべきか。しかし、様々に用意された伏線を、終盤で見事に回収していく様は圧巻。また、主人公と別れた恋人の女性2人で、山の中の家という場所のみの設定で、ここまで読者を飽きさせずに終わりまで持ってくる技術は素晴らしいと思いました。ただ、叙述トリックに、少々納得がいかなかったのと、ラストがもう少し何とかならなかったのかと思いましたので、★は3つ。

古き良き時代

ミッドナイト・イン・パリ [Blu-ray]
(映画の感想168) ミッドナイト・イン・パリ ★★★☆☆
『ギルは婚約者と共に、彼女の両親の出張に便乗してパリを訪れる。彼はハリウッドで売れっ子脚本家として成功していたが、作家への夢も捨て切れずにいた。ロマンチストのギルは、あこがれの作家ヘミングウェイや画家のピカソらが暮らした1920年代の黄金期のパリに郷愁を抱いており…。』というストーリー。
Yahoo!映画では結構高い得点でした。また、レイチェル・マクアダムスが出ていたので観てみましたが、彼女は悪役で、可愛らしさが全くなく、レイチェル・マクアダムスらしさがなくて残念。またフランスの黄金期というか、古き良き時代の懐古がメインテーマとなっているが、フランスの過去の有名人をいまいち知らないので、理解が難しかった。フランス人なら評価が高いのかもしれません。メインメッセージは、どんな時代でも「昔は良かった」と皆言うんだ、でも現代を必死で生きなきゃね、というところでしょうか。★は3つ。

異星人からのコンタクト

コンタクト (字幕版)
(映画の感想167) コンタクト ★★★★☆
『地球外知的生命体の存在を研究している天文学者エリーは、ある夜、未知の電波をキャッチする。それはヴェガ星からのものであり、地球上の映像と謎の設計図が納められていることが判明。それはヴェガ星への輸送機関であった。急ピッチで基地が建造されるが、エリーはパイロットの選考から洩れてしまう。だがテロリストによってヴェガへの発進基地は無残にも破壊されてしまう…。』というストーリー。
1997年の作品ですが、とても完成度が高いSFだと思いました。SF的なワクワク感だけではなく、地球外知的生命体を発見したら、地球の人々はどうするのか、という点を、非常に具体的に、現実的に、ストーリー展開しているのはとても好感が持てました。一方、終盤のエリーの旅の部分では、それと対照化して、もっと面白い展開にできたのではないかと、あっさり過ぎたと思いました。天文学者エリーの、「この広大な宇宙に地球人だけがいるのでは広いスペース(宇宙)がもったいない」というセリフが、夢があっていいですね。★は4つ。

コントロール不能のタイムトラベル

きみがぼくを見つけた日 [Blu-ray]
(映画の感想166) きみがぼくを見つけた日 ★★☆☆☆
『時空を旅する運命を背負うヘンリーは、どんなときにどの時代のどこへ飛ぶのかは自分で選べない。秘密を抱えた孤独な人生を送る彼は、ある日、旅先の過去で、一人の少女に出会う。やがてヘンリーは、少女から美しい心の女性へと成長したクレアといつしか愛し合うようになるが…。』というストーリー。
いわゆるタイムトラベルものではあるのですが、主人公は出発も選べず、飛ぶ先の時代も選べず、ただただタイムトラベルを繰り返すだけという、一風変わった設定になっています。そのことが女性との出会いを生み、愛を育み、また同時に擦れ違いを生み、ということなのですが、いまいちタイムトラベルという特殊能力を有効に使っていない感じがしました。また、クレアの方も、人智を超えているとはいえ、愛する夫の運命を、そのまま受け入れてしまうものでしょうか。愛する人の運命を何とか変えてやろうと思うのが普通じゃないでしょうか。その辺りでちょっと違和感を感じました。また、終盤の、女の子が、新しい展開を生めばもっと良かったのにと思います。★2つ。

人工知能の彼女

her/世界でひとつの彼女 [DVD]
(映画の感想165) her/世界でひとつの彼女 ★★★☆☆
『近未来のロサンゼルスで、セオドアは相手に代わって思いのたけを手紙にしたためる代筆ライターをしていた。長きにわたり共に生活してきた妻キャサリンと別れ、悲嘆に暮れていた彼はある日、人工知能型OSサマンサと出会う。次第にセオドアは声だけで実態のない彼女の魅力のとりこになり…。』というストーリー。
SFはSFなのですが、主人公のセオドアと、人工知能のサマンサとの会話がメインという、極めて個性的な作品。最初は途中で飽きが来るかなと思いましたが、意外と展開が面白く、最後まで楽しめました。ただ、サマンサが人間の感情にあまりに似通っているので、人間ではない人工知能ならではの思考がもっとあっても良かったのではないかと思いました。あと、ラストはもうちょっと何とかならなかったものかと。設定は斬新で面白いと思います。ということで、★3つ。