分子生物学の成立 フリードリヒ・ミーシャー

実は私は高校で生物を選択しなかった。しかし大学で生物を専攻することは私の中では確定していた。物理か生物か、どちらを選択したらいいか非常に迷ったが、そのときの先生に相談し、「高校生物は基本的に知識の学問であり、大学に入ってからも学びやすいが、物理はそうではない。しかし、今後の生物学には物理学も必要だと思うよ。」と言われ、物理選択を決意した。その先生の意見は今でも正しいと思っている。
とにかく高校生物を取らなかったので、生物学の歴史などに非常に疎い…。特にワトソン・クリック以前の歴史は全然だ。こりゃまずいと思って、少々勉強することにした。歴史から学ぶことは多いはずだ。
ググってたら、わかりやすいHPにたどり着いた。→おもしろゲノム雑学塾
とりあえず、フリードリヒ・ミーシャー*1について学んだ。

現代のバイオテクノロジーにつながるひとつの発見が、スイスの生化学者フリードリッヒ・ミーシャーによって行われたのは1869年でした。彼は、けが人の包帯に付着した膿から細胞を取り出し、1つの物質を抽出しました。そして彼は、この物質が細胞の中心部の核(ヌクレウス)から抽出したために、「ヌクレイン(Nuclein)」という名前をつけました。
このときミーシャーは、現在の「核酸」と呼ばれる物質を発見したのですが、この物質はタンパク質に構造が似ており、分析を重ねるほどタンパク質との相違点より、類似性が多く発見されました。そこで「リンとタンパク質の混合物にすぎない」と主張する科学者も多く、たいした関心はもたれませんでした。

*1:フリードリッヒ・ミーシャー(Friedrich Miescher/1844〜1895)スイスの生化学者。「膿の白血球について」を研究テーマに選び、ヌクレインの発見に至った。傷口に接した包帯に付着した膿から細胞を取り出してそこから物質を抽出し、核酸を発見したことで知られる。当時は、細胞の中心の核(ヌクレウス)から抽出されたため、「ヌクレイン(Nuclein)」という名前がつけられた。