アリスのデビュー作

月光ゲーム―Yの悲劇'88 (創元推理文庫)
(小説の感想17) 月光ゲーム ★★★☆☆
有栖川有栖の作品は、これまで1つも読んだことがありませんでした。王道派本格ミステリー小説家のようですね。月光ゲーム、孤島パズル、双頭の悪魔の3部作を読むために、まずは月光ゲームを、と思いました。
『夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。矢吹山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく……。いったい犯人は誰なのか? そして、現場に遺されたYの意味するものは何?』というストーリー。
衝撃的な犯人、というわけではありませんでしたが、見抜けませんでした。Yの意味は何となくわかったのですが、犯人まで辿り着けませんでした。どんでん返し系ではなく、作者も書いているように、エラリークイーンやアガサ・クリスティの、海外ミステリー往年物の味わいを感じました。極限状態のシチュエーションは楽しめましたが、トリックはまあまあかな、ということで★3つ。