流星ワゴン

流星ワゴン (講談社文庫)
流星ワゴン 重松清
本屋さんの「スタッフお勧めの一冊」という謳い文句にまたまたそそられて購入・読破!とても良かった。☆☆☆☆★
妻の浮気・離婚、息子の受験失敗・家庭内暴力・引き篭もり、自分は会社をリストラという、サイテーの家庭になってしまった主人公・永田一雄は、家路の途中の駅のベンチで、「死んじゃってもいいかなあ、もう。」とぽつり。その主人公の前に、オデッセイに乗った、不思議な父子が現れる。オデッセイに乗り込んだ主人公は、その父子といっしょに主人公の過去へと旅立っていく。自分の人生における大切な場所、後から振り返ればそこが人生の岐路になっていた場所を巡る。今の悲惨な現実を作り出した、その分岐点、彼にとってとてもとても大事な場所へ。その旅路にもう一人、不思議な「友」が同行する。それは、主人公と同い年の、親父。
ちょっとばかり暗い雰囲気になっているが、とてもいい雰囲気に仕上がっていると思う。同じような題材で、子供の頃に見てとても好きな映画、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」。そこでは、主人公(息子)が両親の若かりし時代へと戻り、両親の恋愛の仲立ちをし、未来を変えるという、アメリカらしい映画だったが。
主人公・永田一雄は果たして未来を変えられるのか?その辺を考えて読んでいくととても面白いと思う。