(16) 就活のマナーについて

社会からの博士やポスドクの方に対する悪いイメージの原因の1つには、社会人的なマナーの不足が挙げられると感じる。「自分は社会人マナーがしっかり身に付いている!」と胸を張って言える人はどれぐらいいるだろうか。そういうものが、「学生っぽい」といった悪いイメージを与える原因となっている気がする。
偉そうに書いているが、自分自身を省みても、まったくその通りに思う。とても恥ずかしい。少しずつ身に付けていきたいと思う。


以前に書いたように、博士やポスドクの方は「社会人として、いい年」なのである。ゆえに、面接官としても、「いい大人」として見てくるのは当然のことだろう。実際、恥ずかしながら、僕が就活をしている際にも、少々の無礼があり、先方から、「学部生ならまだわかるが博士、つまり20代後半にもなって、礼を失するような態度をされると、こちらとしては非常に気分が害されますよ」と怒られたことがある。

せっかく自己分析を深く行って志望動機・自己PRを推敲しているのに、礼儀やマナーで悪い印象を与えるなんて、なんともったいないことだろう。そういうところで損をしないように、しっかり注意して臨んだ方がいいと強く感じる。
ただ、なにぶん、今でも僕にもあまり自信がないので、自分自身で調べてください。
また、何か間違いがあれば、指摘していただけるとありがたいです。


服装や身なり
恥ずかしながら、僕も友人から「もっとファッションに気を配れ」と怒られるような身なりなので、偉そうなことはまったく言えない。だが、就活に際しては、そこまでの身なりは要求されない。最低限の一般的な身なりができればいい。僕自身は、本を読んだり、リクルートスーツを取り扱っている店の店員さんに直接聞いたりして多少の知識を増やした。
記憶に残っていることだけ挙げてみると…、
まず、一般的マナーから言って、ヒゲを剃っていないとか、寝癖が付いたままであるとか、Yシャツがくしゃくしゃであるとか、そういうことは論外。
Yシャツは必ず毎回クリーニングして新しいものを。Yシャツは基本白。靴下は白はダメ。黒か紺。Yシャツが白なので、ネクタイの色で差別化を考える。色によって、見え方が全然違う。
スーツはリクルートスーツという種類のスーツが存在するので、それを買う。色は黒か紺が基本。高いブランドスーツなど必要ない。おしゃれなシャツやネクタイもいらない。「自己アピールするなら、自分の周りに付いている服装ではなく、自分の奥にある中身(態度や言葉)でアピールせよ」と何かの本に書いてあった。非常に納得。鞄や靴も同様。スーツは何度も何度も着て、着慣れよう。着慣れていないのと着慣れているのでは、社会人から見たら一発でわかるのだそうだ。僕にはまだよくわからないが…。
ネクタイの結び方は色々あるが、プレーンノットが基本らしい。でも僕はプレーンノットでは形がいまいち決まらないことが多かったので、セミウインザーノットかウインザーノットが好きだ。ウインザーノットは三角が少し大き過ぎるかも。
こんなところかな。他にもまだあったかな…。


敬語・謙譲語
アカデミアはわりと敬語にうるさくないため、どうしてもいい加減になりやすい。僕自身もそうです。基本的な敬語・謙譲語はチェックしておいた方がベター。文章なら後からチェックできるけど、話し言葉は意外と間違える。間違えると非常に印象が悪い。


電話応答
一度文章に起こすこと。それを見ながら話すと話しやすい。電話の応答も、本やネットなどでマナーに関する情報があるので参考に。誰でも最初はできない。敬語・謙譲語に注意。
また、就活中は、常に先方からの電話があるかもしれないので(合否通知や面接時間の調節などは多くの場合電話)、なるべく電波が入る携帯電話を肌身離さず持ち、常に応答の心構えをし、準備しておくこと。
また、選考に関する質問など、重要度の高いコミュニケーションはメールではなく必ず電話で。気軽にメールを送りっぱなしにする傾向は非常に良くない。


メールや手紙
メールにおいても手紙においても、「こういう風に書く」という基礎文面が調べれば沢山ある。それを参考にして、丁寧に。
手紙の場合は手書きが絶対良いし、エントリーシートや履歴書などを封筒で郵送するときは、なるべく挨拶文を含めること。相手も人間です。
大事なことはメールや手紙で済まさないように。


履歴書やエントリーシート
大学指定のものがあるならそれを、大学生協のものも良い感じだった。志望動機や自己PR欄が大きく、書きやすいものがベター。大量に使うので大量に先に買っておくといいと思う。
写真は、もちろん面接に行く時の格好で。当然スーツで、髪は黒。普段着などで写しちゃいけない。駅などにある自動証明写真製造機で撮るのではなくて、ちゃんと写真屋さんで撮ってもらおう。最近はCD-Rに焼いてくれるので、後から簡単に何枚でも焼き増しできる。また、たまに、「あなたの普段の生活がわかるような印象的な写真を」という企業もあった。そういう写真も探しておいた方がいいかもしれない。
履歴書やエントリーシートは、ほとんどの場合、手書きを要求されるが、そうでなくてもなるべく手書きで。履歴書やエントリーシートは入社熱意を見せるためのものであることを忘れないように。
誤字や脱字は禁忌。1字でも間違えば、最初から書き直し。修正ペンを使って上から書いたり線を引いて書き直ししたりしてはならない。
細かな字でびっしり書いてはならない。たくさん書きゃいいってものではない。プレゼンテーションであることを忘れないように。相手に伝わらなければまったく意味がない。
提出書類の期限は当然厳守。原則、過ぎたら受け取ってもらえない。余裕があるなら、提出期限ぎりぎりに出すのは避けよう。そういう人が多いから、審査する側はその時期大変になるとおっしゃってた。


説明会や面接に訪れる時には
遅刻は厳禁。途中退出なども基本的には厳禁。その会社が第一志望であったら、遅刻などするだろうか?「どうでもいいや」感は、社員の前で絶対見せてはいけない。就活とは働きたいという熱意を見せる場なのだから、説明会で後ろの方に座るのはやめよう。堂々と前の方に座ること。どうせなら、1時間前に行って、1番乗りして1番前に座ろう。
万が一、時間に遅れそうになったら、とにかくできるだけ早く先方に伝えること。


何か気になることがあれば、大学の就職課の人に聞こう
大学の就職課の人は、国公立では活動はあまりまだ盛んではなく、マイナーな存在だけど、それでも多くの就活人を見てきたプロ。何か気になることがあれば、そういう人に聞くのが一番だと思う。それが彼らの仕事だし。