インドアからアウトドアへ

LIFE!/ライフ [DVD]
(映画の感想164) LIFE ★★☆☆☆
『雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティは、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。唯一の特技は妄想することだった。ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランドアイスランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。』というストーリー。
うーむ、冴えない男が、色々な「旅」を経験していく内に、人間として成長し変わっていく、というストーリーなのですが、いまいち心に響くものがない。風景は素晴らしく綺麗だと思いましたが、言ってしまえば、良かったと思える点はその点だけだった印象です。心の持ちようを変えたことによって成長した主人公が、新しい人生に立ち向かうことに焦点を当てれば、あるいは人生が変わっていくことに焦点を当てればもっと良かったように思いましたが。★は2つ。

家族愛

アバウト・タイム~愛おしい時間について~ [DVD]
(映画の感想163) アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜 ★★★★☆
『自分に自信がなく恋人のいないティムは21歳の誕生日に、父親から一家の男たちにはタイムトラベル能力があることを告げられる。恋人を得るため張り切ってタイムトラベルを繰り返すティムは、やがて魅力的な女性メアリーと恋をする。しかしタイムトラベルによって生じたアクシデントにより、そもそもメアリーと出会っていなかったということになってしまい…。』というストーリー。
本作はタイムトラベルものですが、テーマを家族愛に絞っていて、SF的な要素はひかえめで、身近な人達との愛の模様を描いています。また、「きみに読む物語」で、なんと可愛らしい演技をするんだろうと思ったレイチェル・マクアダムスが、本作でもとても魅力的な恋人を演じています。父親役のビル・ナイもすごくいい味を出していましたね。また、コメディー的な要素も良く、とても楽しめました。ということで、★4つ。

宇宙の果てに

インターステラー(字幕版)
(映画の感想162) インターステラー ★★★★★
『近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男が大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。地球に残さねばならない家族と人類滅亡の回避、二つの間で葛藤する男。悩み抜いた果てに、彼は家族に帰還を約束し、前人未到の新天地を目指すことを決意して宇宙船へと乗り込む。』というストーリー。
こんな完璧なSF映画、過去に思い出そうとしてもなかなか思い出せない。観終わった後、それほどの感想を持った作品。さすがクリストファー・ノーラン監督だと思いました。SF的な要素をふんだんに盛り込みながら、人々の愛に焦点を当てて、そこを両立するというすさまじいテーマを見事にやってのけた気がします。最後のラストも、非常にすっきりするハッピーエンドの形で、個人的にはパーフェクト。★は5つ!

探偵死す

新装版 動く家の殺人 (講談社文庫)
(小説の感想31) 動く家の殺人 ★★★☆☆
『名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。6年前の稽古中の死亡事故と関係が? 信濃が命をかけて謎解きに挑む。』というストーリー。
『長い家の殺人』から続く「家」シリーズ三部作の完結編。作者いわく、シリーズを通じて活躍してきた名探偵、信濃譲二を「退場させるために」書かれた作品のようです。当初は綾辻行人館シリーズのようなものをイメージしてシリーズ化しようとしていたのかもしれません。終盤のいくつものどんでん返しの連続は、さすがと思いましたが、いまいちパンチに欠けた感じがありました。おそらく、殺人事件自体と、その犯人、そのトリックに理由があったように思います。最後の方のオチは良かったと思いますが。ということで、★は3つ。

人形が殺される理由とは

人形はなぜ殺される 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)
(小説の感想30) 人形はなぜ殺される ★★★☆☆
『日本アマチュア魔術協会の新作発表会で、小道具の人形の“首”が盗まれた。数日後、成城のとある一軒家で発見された首のない死体の横に転がっていたのは、盗まれた人形の首だった。被害者・京野百合子の義理の妹・綾小路佳子は事件の真相究明を、探偵作家の松下研三とその友人である名探偵・神津恭介に依頼するのだが、再び人形を用いた殺人予告が届くのだった…。』というストーリー。
面白かったのですが、途中でトリックに気づいてしまいました。また作品中で、トリックの素晴らしさ、犯人の頭脳明晰さが、作者自身によって何度も何度も過剰に表現・宣伝されてしまっているので、必要以上に期待値をあげてしまい、それに対してオチがそれほどすごくないという印象を作ってしまっていると思います。そこがなければ、純粋に面白かったと思います。ということで、★は3つ。

帰ってきた密室殺人ゲーム

密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)
(小説の感想29) 密室殺人ゲーム2.0 ★★★★☆
『あの殺人ゲームが帰ってきた! ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。その凝りに凝った殺人トリックは全て、五人のゲーマーによって実際に行われたものだった。トリック重視の殺人、被害者なんて誰でもいい。名探偵でありながら殺人鬼でもある五人を襲う、驚愕の結末とは。』というストーリー。
「密室殺人ゲーム王手飛車取り」の続きの第2弾です。基本的には短編集の構成を取っています。また、犯人宛てと動機を放棄し、殺人方法を解明するトリック当てのみに焦点を当てた作風になっているのは本作でも健在。またそのことを逆手に取ったトリックも素晴らしい。第1弾の「密室殺人ゲーム王手飛車取り」とはどうつながっているんだろうと思いましたが、そのポイントこそ一番面白いところです。ただ、個々のトリックの完成度は第1弾を越えられなかった印象があったので、★は4つ。

結婚という地獄

ゴーン・ガール (字幕版)
(映画の感想162) ゴーンガール ★★★★☆
『ニックとエイミーは誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。うそをつき理解不能な行動を続けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け…。』というストーリー。
とにかく妻のエイミーが恐ろしい(笑)。その一言につきると思います。妻の失踪の真実をオチに持ってくるかと思いきや、さらにまだ先があって…、ストーリー展開も楽しめたような気がします。ただ、話がうまく出来過ぎているような気もしました。警察の無能さもいただけない。その辺が、いささか納得できませんでしたが、★は4つ。